- おもて
- I
おもて【表】(1)二つの面のうち, 前や上になる方。 また, 外側。 表面。⇔ 裏「封筒の~」(2)目立つ方の側。 前面・正面になる方。⇔ 裏「~から入る」「~玄関」「~参道」(3)家のそと。 屋外。 戸外。⇔ うち「~で遊ぶ」(4)見せかけの部分。 うわべ。 外見。⇔ 裏「~はきれいごとで済ます」「裏~のない人」(5)おおっぴらなこと。 おおやけ。
「~沙汰(ザタ)」
(6)正式なもの。 本来のもの。⇔ 裏「~芸」(7)野球で, 先攻チームの攻撃する間。⇔ 裏「七回の~」(8)(畳や下駄などの)表面をおおうもの。「畳~」「~付き」
(9)書類などに書いてある事柄。「書類の~ではこうなっている」
(10)江戸時代, 将軍・大名の私的な生活に対して, 公的な政務。 また, 政務を執る所。(11)連歌・俳諧で, 一枚目の懐紙の表。 初表(シヨオモテ)。(12)「表千家」の略。(13)「表仕」の略。(14)名詞の下に付いて, 複合語をつくる。 (ア)その方向に向かっていること, その側に面していることを表す。「南~の座敷」(イ)その方向の土地・地方を表す。 「江戸~」「国~」
~に立・てる公然と表面に出して示す。IIおもて【面】(1)かお。 顔面。「~を伏せる」
(2)ものの表面。「湖の~」
(3)能などの面。 仮面。(4)面目。 体面。「いづくを~にてか, 又も見え奉らむ/源氏(賢木)」
~置かむ方無・し恥ずかしくて顔向けができない。「なかなかに~・く術なくおぼえし/大鏡(道隆)」
~も振らずわきめもふらず。 まっしぐらに。「~, 命もおしまず, ここを最後とせめたたかふ/平家 8」
~を冒(オカ)・す相手の意に逆らうのもはばからずに忠告する。「~・して諫言(カンゲン)する」
~を起こ・す名誉となる。 面目を施す。⇔ 面を伏す「日本のおもておこしたる者なり/宇治拾遺 12」~を曝(サラ)・す(1)人々の前に顔を現す。(2)恥をさらす。「かやうに~・す事, 前世(ゼンゼ)の報といひながら/謡曲・千手」
~を伏・す名誉を失う。 面目をつぶす。⇔ 面を起こす「亡き親の~・せ, 影を辱むるたぐひ多く聞ゆる/源氏(若菜上)」~を向か・う(1)人に顔を合わせる。「弓切折り自害して, 人に二度~・ふべからず/平家 11」
(2)正面から対抗する。 敵対する。「十万余騎にて都を立ちしことがらは, 何~・ふべしとも見えざりしに/平家 7」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.